当組合では、これまで多くの企業の外国人技能実習生の受け入れを支援してきました。

技能実習制度では、現在約36万人程の外国人実習生が当制度を利用して日本で就労しています。

技能実習制度というのは、本来は外国人人材の雇用のための制度ではなく、外国人が日本で就労をするための在留資格に関する「入管法」と「技能実習法」に基づく制度です。
その在留資格の有り方を見直し、新制度として法案に上がっているのが、本項でテーマとなる「育成就労制度」です。

外国人技能実習制度についてはこちらのページにてご説明しておりますので、ご覧ください。

育成就労制度は、1993年に制度化され、現在までに至る「技能実習制度」に代わる、新たな外国人の在留資格として2023に考案され、現在は国会で審議入りをしています。

そのため、本法案が可決され正式決定した場合には、2027年の11月には技能実習制度が廃止され、育成就労制度として在留資格を得た外国人が日本で就労することになります。

なぜ、制度の改正が考案されたのか

2022年より複数回にわたり、技能実習・特定技能という制度の有り方について有識者会議というものが行われてきました。

国際協力機構や日本総研、経団連や商工会議所、労働組合連合会など、多くの機関が携わり、この制度を改正し、育成就労制度を確立しようとする理由には、

・技能実習という制度の”制度化当時”と”現在”のギャップ
・受け入れ企業と実習生の間でのトラブルの頻発
・アジア諸国と日本の関係性や経済面の推移

等があげられます。

もともと技能実習制度は「日本における産業技術や知識をアジア諸国等の発展途上地域へ移転するための、国際貢献の制度」という大儀の元に成立した制度です。

実際には日本で働き手を求める企業が、技能実習制度の在留資格(技能実習1号・2号など)で来日している外国人を雇用し、業務に従事しながら育成をしていくということが行われています。

つまり、制度化されてから現在にいたるまでにおいて、制度の本懐と実際に制度の利用方法にギャップがあることから、トラブル等が生まれ問題視されることが有りました。

技能実習制度と育成就労制度は何が違う?

技能実習制度が見直され育成就労制度へ改正される際のビジョンがこの違いを理解するポイントになります。

法改正の見直しに当たってのビジョンは

〇外国人の人権保護
〇外国人のキャリアアップ
〇安全安心・共生社会

とされています。

そして方向性として「人材確保と人材育成を目的とする新たな制度」という表現がなされています。

これまでの技能実習制度では人材確保が目的ではないという大義名分でしたが、育成就労制度では人材確保を目的とするとされています。

※参照 出入国在留管理庁「技能実習制度及び 特定技能制度の 在り 方に 関する 有識者会議」
https://www.moj.go.jp/isa/content/001407012.pdf

受け入れ企業にとっての、技能実習制度と育成就労制度の大きな違いは
「職種」「転籍」「試験」の3点があげられます。

以下でご説明します。

受け入れ対象分野・職種の変更

これまで技能実習制度を活用されていた職種をそのまま引き継ぐわけでなく、
特定技能の業務区分と同一化されることになります。

特定産業分野に指定されている以下の16種が「特定技能」の対象業種になります。

・介護
・ビルクリーニング業
・素形材産業・産業機械・電気電子情報関連製造業(2022年に統合)
・建設業
・造船・舶用工業
・自動車整備業
・航空業
・宿泊業
・農業
・漁業
・飲食料品製造業
・外食業

転籍が可能になる

これまでの実習制度では「やむを得ない事情がある場合」には転籍が出来るという内容でしたが、
育成就労の制度では「条件の定めなし」+「記事の条件による転籍」が可能になります。

この「やむを得ない事情」というふわっとした言葉ですが、これまでは法令違反や人権侵害や等があった場合というような範囲でしたが、
育成就労では「雇用契約と実務の相違」や「労働環境」なども加味され、手続きも柔軟化(これまでより簡単に)されます。

ただし、転籍には以下のような一定条件もあります。

・同一機関での就労が1年超
・技能検定試験基礎級等・日本語能力A1相当以上の試験(日本語能力試験N5等)合格
・転籍先機関の適正性(転籍者数等)

さらに、監理団体やハローワーク、技能実習機構などでも転籍支援を行うようになります。

これは、ビジョンにおける外国人の人権保護という観点からの内容で、今回の制度改正で最も大きなポイントになります。

監理団体・受け入れ企業・育成就労外国人が三方で雇用契約や労働条件などをしっかり共有しておくことが重要となります。
些細なことでも書面に残しておくと、後のトラブルやいざこざの原因解消になりそうですね。

特定技能になるための試験が必須に

これまでは、実習生が技能実習2号を修了し、技能実習の職種と特定技能の業務に同一性が有れば特定技能に移行することが出来ました。
つまり技能実習をしっかり終えれば特定技能の在留資格が取れるということです。

もう一つの方法として、指定された技能検定と日本語能力試験の両方に合格する事で移行が出来ました。

育成就労では、この「検定・試験合格」というのが義務付けられるので、監理団体としても指導や教育にさらに力を入れていく必要があります。

育成就労制度になるとどう変わる?

育成就労制度への改正で大きく変わる点は職種・転籍・特定技能への移行となります。

職種に関しては、現在技能実習生を受け入れている企業の場合には育成就労制度に変わった後に同様の職種で受け入れが出来るか、確認をする必要が有ります。
受け入れを行っている監理団体にご相談すると回答が得られます。
当組合にご相談を頂いても結構ですので、こちらからお問合せ下さい。

転籍に関しては、一定条件はあるものの受け入れ企業、育成就労外国人、監理団体が三方で良好な関係やコミュニケーションを取ることが重要になります。

これは日本人でも同様のことが言えますが、就労環境や待遇、人間関係に大きな不満が出なければ、転職・転籍をしようと思わず、一生懸命に仕事をするはずです。

MGKK協同組合では、巡回や面談による円滑なコミュニケーションや、企業で外国人が働く適正な就労環境づくりのサポートやご支援をいたします。

また、育成就労で雇用した外国人が雇用元に定着し永く活躍するためには、特定技能に移行する試験の合格が必要です。
実技教育や日本語検定の受講等、受け入れ企業としても我々監理団体としても教育や努力が必要になります。
出来る限りのサポートを専任スタッフとともに行っていきます。

法改正前に技能実習生を受け入れる

法案が可決した折に育成就労に制度改正されるのは、2027年11月とされています。

それまでの間は現行の「外国人技能実習制度」が適用になります。

育成就労制度とは上述したような違いがありますが、MGKK協同組合では技能実習生の受け入れ支援を行っています。
ベトナムやインドネシアなど、アジア諸国からの実習生の受け入れ実績や定着率には受け入れ企業の方々にもご好評いただいています。

これから外国人の受け入れをしたいと検討されている方は、ぜひMGKK協同組合にご相談下さい。

お問合せはこちら